1908年(明治41年)に鉄道連絡船として就航した比羅夫丸が青函連絡船歴史の始まりです。
青函連絡船は1988年(昭和63年)まで80年間にわたり、青森港と函館港を結び、1億6千万人の乗客と2億5千万トンの貨物を運びました。航行距離は8千万キロ、地球を2,019周分に及びます。日本の鉄道史に名を連ね、日本の経済発展に大きく貢献してきた青函連絡船は青森市のシンボルです。
青函連絡船の中でも「八甲田丸」は、歴代55隻中23年7ヶ月と現役期間が一番長かった船で、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸は、ほぼ就航当時の状態で青森港に係留保存した貴重な施設です。青函連絡船のスケールの大きさを目の当りにし、本来の役割を学ぶことができます。中でも青函連絡船最大の魅力は貨車を搭載する「車両甲板」です。鉄道車両が船を通じて海を渡ることは世界的にも大変珍しい事例で、貴重な展示となっています。
八甲田丸主要データ
●全 長 132.0 m
●全 幅 17.9 m
●総トン数 5,382.65トン
●速 力 18.2kt(ノット)
●旅客定員 1,286名
●積載車両 ワム換算 48両
●建造所 三菱重工業 神戸造船所
●使用エンジン 川崎-MAN4サイクルトランクピストン排気ターボつきディーゼルエンジン(1600馬力8基)

操舵室見学の後は、車両甲板へ。鉄道車両を搭載できる車両甲板を一般見学できるのは、
恐らく世界でこの八甲田丸だけと思われるので、大変貴重である。
写真に写る車両は、かつて貨物列車の最後尾に連結されていた緩急車。

車両甲板の先端にある船体付連結器。搭載された車両は、この船体付
の連結器に連結されて前後方向の移動を拘束する。

この車両は郵便・荷物合造車スユニ50 510。青函連絡船に搭載された
車両は、貨車、荷物車、郵便車であり、残念ながら旅客車の搭載は、
洞爺丸台風事故以来認められていない。

船内に搭載された車両。

搭載された車両は転動しない様に、このように厳重にラッシングされた。
国鉄時代に製造された車両は、全て必ず航走用のラッシングができる構造となっていた。
洞爺丸沈没の大きな原因が搭載貨車の転動だったと言われている。

スユニ50は50系客車をベースとして製造された郵便・荷物合造車で、
荷物輸送の最終期(昭和50年代)に製造された車両である。

道内で活躍したディーゼル特急車両キハ82系も搭載。キハ82系の後継車両のキハ183系が
つい最近全車引退したことを思うと、時代の推移を感じる。
尚、繰り返しになるが、旅客車両の航走は新製、転属回送以外は無かった。

ディーゼル機関車DD16 31も搭載展示。DD16 31は長万部、五稜郭に配置された道産子機。
瀬棚線などのローカル線の貨物牽引に活躍していた機関車だ。1986.3.31に廃車され、八甲田
丸での保存展示に抜擢された機関車だ。

車両甲板船尾側の開閉扉。接岸時にこの扉を開けて可動橋と接続し、車両の搭載を行っていた。

控車のヒ600。可動橋に重たい機関車が乗らない様に機関車と貨車の間に連結された車両。
延長連結器の役目と言えよう。故に控車は通常は連絡船には搭載されない。

車両甲板からさらに船のエンジンルームへ降りる。

連絡船の主機室に並ぶディーゼル主機。

川崎重工製のMAN V8V22/30mALエンジン。シリンダヘッドには、川崎重工の
リバーマークが入っている。

主機室に並ぶ8台のエンジン。(見学できるのは、写真に写る4台だけ。)

シリンダ直径22cm、行程30cmの16シリンダ過給エンジンが並ぶ。
1台当たり1600馬力だ。

水密扉が見える。

このエンジンは、ディーゼル機関車DF50 500番台の川崎MAN V6V22/30mAと同型エンジンである。
(ただし、シリンダ数は異なり、DF50は12シリンダ)

主機室を後方から見る。

総括制御室。エンジンや補機関係を総括監視・制御する部屋である。

機関長や機関士が詰める部屋である。

8機2軸の推進系の監視盤。荒天時以外は、8主機全稼働ではなく減機運転だったとのこと。

背後に並ぶ無数の起動盤

船内電源用の発電用エンジン。こちらも川崎MAN22/30 直列8気筒

総括制御室の背後にある発電機室。緑色の通路の下に発電機エンジンが格納されている。

再び車両甲板に戻る。控車ヒ600。

キハ82。本当に格好いいデザインだと思う。

DD16+ヒ600

以上で見学は終了。最後に船首側から連絡船八甲田丸を見る。本当に美しい船だ。
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
開館期間
4月1日~10月31日 9:00~19:00 最終入館18:00
11月1日~3月31日 9:00~17:00 最終入館16:30 休館日:月曜日、年末年始
料金
大人510円、高校生310円、中学生210円、小学生110円
アクセス
青森駅から徒歩5分
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸 2