1988(昭和63)年3月13日の青函連絡船最後の日まで運航していた摩周丸を実際の乗り場であった旧函館第2岸壁に係留・保存・公開しています。ブリッジ(操舵室)・無線通信室が当時のまま残り見学できるほか、前部グリーン船室を展示室に改装して、実物部品・模型等を展示するとともに、パネル・映像で青函連絡船の歴史やしくみを解説しています。
残念ながら、車両甲板、総括制御室、主機関室には直接入ることはできませんが、展示室からモニターカメラを操作して見ることができます。
摩周丸ホームページ(https://mashumaru.com/)より
摩周丸主要データ
●全 長 132.0 m
●全 幅 17.9 m
●総トン数 5,363.33トン
●速 力 18.2kt(ノット)
●旅客定員 1,200名
●積載車両 ワム換算 48両
●建造所 三菱重工業 神戸造船所
●使用エンジン 三井-B&W4サイクルトランクピストン排気ターボつきディーゼルエンジン(1600馬力8基)

海峡の女王、海の新幹線と呼ばれた青函連絡船。美しい船体を函館港に横たえる。

北海道にゆかりのある船名から摩周丸が函館側の保存船に選ばれたのだろう。
ちなみに、摩周丸の青色は東海道新幹線の青色と同色である。

オリジナルの昇降口は閉ざされたまま。

摩周丸の船尾付近。可動橋も残る。

貨車を搭載していた可動橋。

摩周丸の船尾を見る。

摩周丸に乗船!イルカのエンブレムがお出迎え。デザインされた
浮輪の中はもちろん摩周湖である。

ファンネル(煙突)に掲げられていたJRマークとJNRマークを展示。
また、補助汽船のJIS型錨も展示。ここで、国鉄型とJIS型の錨の違いを解説。
いきなりマニアックな内容。

現役時代の摩周丸客室案内図

建造所銘板。三菱重工業神戸造船所の建造である。

普通船室の椅子席を展示。

摩周丸の普通船室座席は、摩周丸誕生時に活躍していた特急列車
キハ80系の普通車座席と同等の座席であった。

こちらはグリーン船室の座席。グリーン座席は提供数が過剰だったのか、後にグリーン船室
の一部を潰して「サロン海峡」という船上喫茶店が開業した。

摩周丸の船体模型。

旧士官室を取り除き、大きな前方窓を備えて誕生した喫茶店「ニューサロン海峡」。
現在は休店中。申し訳ないが、摩周丸引退後のこの改造によって誕生した前方窓が
連絡船摩周丸の印象を大きく変えており残念。

船員さんの制服。中央は、連絡船末期に登場したキャンペーンガールであるマリンガールの
制服。

寝台室の毛布で実施されていた飾り毛布。古き良き船旅の習慣が当時はまだ残っていた。

津軽丸型貨客船の船体模型。オレンジ色の船体は十和田丸だ。

無線室。終航まで電報の扱いもあった。

操舵室。

操縦卓。

プロペラ回転数とプロペラ翼角を指示する操縦卓。

操舵卓。自動車の様なハンドルになっていた。

レーダー。もちろんアナログ式。

操舵室から見る船首風景。函館山が美しい。

操舵室後部にある記録盤。

左舷ウイングから見る岸壁。(船尾方向)

函館港内を見る。

JNR(国鉄)マークが入ったファンネル(煙突)。

摩周丸のプロペラとアンカー(錨)の鎖。

エンブレムと浮輪があるこの場所は、運航当時絶好の記念撮影場所だった。

青函連絡船は車の航送も実施していた。ここは航送車の駐車場所。露天航送なのであまり
人気が無かった。一応、無料洗車券が配られていた。

船内に残る運航ダイヤ。

復元された普通船室の座敷席。

プロムナードデッキ

懐かしのプロムナードデッキ。ここから津軽海峡の海を飽きずに
眺めたのを思い出す。

「サロン海峡」の行燈が残っていた。
サロン海峡は、連絡船現役時代にグリーン船室の一部を改造して誕生
した船内喫茶店である。
函館市青函連絡船記念館 摩周丸
開館期間
4月1日~10月31日 8:00~18:00 最終入館17:00
11月1日~3月31日 9:00~17:00 最終入館16:00 休館日:荒天・検査時などを除き原則無し
料金
大人500円、学生・小人250円
アクセス
函館駅から徒歩4分
函館市青函連絡船記念館 摩周丸