14系客車は、国鉄が1971年(昭和46年)より設計・製造した特急用の客車です。客車の冷暖房用などのサービス電源を、床下のディーゼル発電機でまかなう「分散電源方式」を初めて採用した急行用12系客車をベースとし、同じく分散電源方式を踏襲しつつ、特急列車での使用を前提とした車内設備に変更した客車です。昼行特急列車や座席夜行列車に使用する座席車と寝台特急列車に使用する寝台車があり、さらに寝台車は製造時期や仕様の違いにより14形と15形に分かれていましたが、サービス電源等の仕様は同一で、混用可能でした。

 北海道向けの14系座席車に関しては、1981年(昭和56年)に、北海道の急行列車で使われていた旧形客車の置き換えのため本州で余剰になっていた本系列に暖房強化や空気圧縮機の大型化、これに伴いスハフ14形1両当たり自車を含めた給電を6両から4両に変更、冬季の着雪・凍結対策として折戸であった客用扉の引戸化など、道内向け改造を施して500番台として登場しました。当初から、荷物車、郵便車、10系寝台車などの旧形客車との併結が前提であったため、12系客車と同じく機関車からの暖房用蒸気を旧形客車に送るための、暖房用蒸気の引通管が新たに設けられました。オハ14 501 - 539・スハフ14 501 - 509が改造により誕生しました。また、4両給電化によってスハフ14形の所要両数が増えて種車となるスハフ14形が不足するため、オハフ15形をスハフ14形に改造の上充当しました。電源用ディーゼル発電セットの取り付けが行われ、スハフ14形に編入された車両の番台区分は550番台のスハフ14 551 - 561となりました。最高速度は95 km/hに抑えられていましたが、A急ブレーキ弁再取付け工事を実施し、一部車両は青函トンネル内に限り再度110 km/h走行が可能となりました。また、青函トンネル内での防火対策として、床下にディーゼル発電機を搭載するスハフ14 501 - 509・551・555 - 557に自動消火装置が搭載され、急行「はまなす」の編成に限定使用されていました。

 JR北海道に現存する14系客車は、1999年に「SLすずらん号」用に用意された14系客車のみです。ぶどう色の地に赤帯に塗色変更されたオハ14 519・526とスハフ14 505の3両です。改装当初は、室内にドラフト音を流す客室へのBGM用スピーカー、ワイヤレスマイク用回路の設置のみでしたが、1季節終えた後、座席を4人がけボックスシートに改造したほか、ダルマストーブの設置などが行なわれました。2003年には、スハフ14 507が追加で改造されました。2024年現在、「SL冬の湿原号」専用車両となっています。

 「SL冬の湿原号」で使用される客車の基本的な編成内容は以下のとおりです。標茶方が1号車。座席車は1・5号車の「たんちょうカー」がボックス席(山側)とカウンター席(川側)、残り2~4号車が全席ボックス席になっています。

1号車 - スハフ14 505(座席車「たんちょうカー」)
2号車 - スハシ44 1(カフェカー・座席車)
3号車 - オハ14 526(座席車)
4号車 - オハ14 519(座席車)
5号車 - スハフ14 507(座席車「たんちょうカー」)

 客車は2021 - 2022年(令和3 - 4年)に全面改修されました。このうち1・5号車は2021年(令和3年)に苗穂工場に入場し、車端部に展望通路を配し座席配置も変更したうえで、2022年(令和4年)から「たんちょうカー」として運行開始しました。スハフ14は、1972年(昭和47年)および1980年(昭和55年)製造で老朽化が進行していることから、発電エンジンや台車部品などの機器取替も実施されました。

 尚、現在JRで現存する14系客車は、JR北海道の「SL冬の湿原号」用改造車4両とJR西日本の「サロンカーなにわ」改造車7両の合計11両のみとなっています。



SL冬の湿原号 スハフ14 505 標茶にて



SL冬の湿原号 オハ14 526 標茶にて



SL冬の湿原号 オハ14 519 標茶にて



SL冬の湿原号 スハフ14 507 標茶にて



SL冬の湿原号 オハ14 519 標茶にて



SL冬の湿原号 オハ14 526 車内



SL冬の湿原号 オハ14 526 車内



SL冬の湿原号 オハ14 526 車内



SL冬の湿原号 オハ14 526 車内





JR北海道14系客車 配置表

会社 配置 形式 番号
北海道 釧路  オハ14 519 526 2
 スハフ14 505 507 2
































14系客車