特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線


 キハ261系1000番台気動車は、0番台から大幅な仕様変更を行い、2006年(平成18年)から2009年(平成21年)にかけ石勝線・根室本線向けに投入されました。その後、2013年(平成25年)から2022年(令和4年)にかけ北海道内各地の主要都市間特急列車向けに大量増備されました。キハ261系1000番台は、今後のJR北海道における都市間特急の主力車両として位置づけられています。
2023年(令和5年)4月1日時点で系列全体の在籍数は178両に達し、これはJR北海道はもとより、JRグループ旅客6社の特急形気動車としては同日時点で最大の両数です。



製作・増備の経緯(1000番台)
 2004年(平成16年)に「とかち」の全列車高速化と「(スーパー)おおぞら」の増発が検討されるにあたり、「とかち」に残存するキハ183系の置換は制御付自然振子車に比して費用対効果に優れるキハ261系を用いることとなり、本番台が開発・投入されました。2006年(平成18年)の先行製造車落成後、2007年(平成19年)10月1日ダイヤ改正から特急「スーパーとかち」で営業運転を開始し、2009年(平成21年)に一旦投入は終了しましたが、2013年(平成25年)からは車両増備や既存特急車両の老朽取替を名目として2022年(令和4年)まで新造投入が続けられました。


1000番台1・2次車登場時
 床下機器配置などは0番台から踏襲しつつ、構体などは789系電車を基本としています。また、同時期に開発された789系1000番台電車との共通点も多くみられます。1・2次車の製造は、車体構体と台車を川崎重工業から購入し、搭載機器や内装などの艤装作業はJR北海道の苗穂工場において自社およびグループ会社が担当するノックダウン方式を採りました。


1000番台3次車
 1・2次車投入後も残ったキハ183系「とかち」の置換・高速化を目的に、2009年(平成21年)に3次車8両が同じく苗穂工場のノックダウン生産で増備されました。仕様面では以下が変更されました。

 ・M2・M3車への洗面台・荷物置場設置
 ・M1・M3車普通車座席の「グレードアップ座席」化
 ・中間ほろ素材変更
 ・ATS-DNの設置
 ・石勝線脱線火災事故を受けた対応
  ・客室内非常灯(懐中電灯)設置
  ・先頭車車掌台へ緊急避難はしご搭載(当初は先頭車通路へ設置、翌月以降順次車掌台へ移設)


1000番台4次車
 前述の石勝線脱線火災事故ではキハ283系6両が焼失したことで、キハ283系使用列車を中心に車両繰りが悪化し、サービス面から早急な改善が求められました。そこで、輸送体系維持を目的として新設計を必要としない本系列を増備することとなり、2013年(平成25年)に4次車6両が導入されました。製造は苗穂工場に代わり新潟トランシス(構体は引き続き川崎重工業が担当するノックダウン生産)が担当しました。仕様面では前述の事故後に実施された対策のほか以下が変更されました。(このうち(※)を付した内容は3次車以前にも改造にて施工されました。

 ・M2車公衆電話アンテナ取付台省略
 ・屋根外板を無塗装からグレー塗装に変更
 ・M2・M3車側面小窓のふさぎ板省略
 ・公衆電話アンテナ取付台省略
 ・全腰掛を耐火布巻きに変更(※)
 ・客室ダウンライトをハロゲンランプから電球型蛍光灯(電球色)に変更
 ・先頭車通路への立入り禁止ロープ・表記設置(※)[注 26]
 ・正面愛称表示機窓材質の変更(強化ガラス→ポリカーボネート)


1000番台5次車・1〜4次車の「5次車化改造工事」
 北海道新幹線開業に伴う「(スーパー)北斗」の輸送力確保・増発、「スーパーとかち」の適正な予備車確保を目的に2015年(平成27年)度から2016年(平成28年)度初にかけ5次車28両が導入されました。製造は「短期間での制作が必要であることから引き続き新潟トランシスがノックダウン生産しました。

 仕様変更は以下の通りです。このうち(※)を付した内容については「5次車化改造工事」として2015年度(平成27年度)から2018年度(平成30年度)にかけ既存車両にも施工されました。

 ・車体傾斜制御装置搭載省略と関連機器の変更(※)
   本系列は2014年(平成26年)8月30日ダイヤ改正をもって車体傾斜装置の使用が取りやめられました。
   関連して先頭部側面のロゴを"HET 261 Hokkaido Express Train"に変更。
   後述の外装デザイン変更に伴い4次車以前には波及しませんでした。
 ・電車併結総括制御準備工事(VCB切スイッチ・パンタグラフ下げスイッチ・保護接地スイッチ等)省略(※)
 ・空気圧縮機の小型化(C1000H→C600A)(※)
 ・空気圧縮機変更に伴い機関をN-DMF13HZLに変更(※)
 ・燃料タンクのステンレス鋼化・外殻の2重化・プロテクター取付
 ・すべての普通車座席をグレードアップ座席に変更
 ・グリーン車座席の上下可動式枕の固定をバンドからレールに変更
 ・室内照明(蛍光灯、ダウンライト、グリーン車読書灯)をすべてLED灯具に変更
 ・側面号車行先表示器を3色LEDからセレクトカラーLED(赤、緑、橙)に変更
 ・車側表示灯の「戸閉」レンズの透明化(発光体の赤色LED化)


外装デザイン変更
 2015年(平成27年)9月9日、後述の6次車の投入を前に本番台の外装デザイン変更が発表されました。新デザインは先頭部と出入り口付近を北国に積もる雪、清らかさ、誠実さをイメージした白、前面から側面にかけ、ラベンダー・ライラックの花をイメージした紫と銀の帯、前面貫通扉付近は警戒色として菜の花畑などをイメージした黄色とされました。従来のデザインで製作された5次車までの計55両は塗装変更が行われ、最初に2015年(平成27年)12月17日付でST-1204編成を変更し、同年12月25日の「スーパーとかち1号」から営業運転に投入されました。以後順次塗装は変更され、2019年(平成31年)1月28日付施工のキハ260-1323をもって変更は完了しました。


1000番台6次車
 JR北海道では、2011年(平成23年)から「次世代特急車両(キハ285系)」の開発を進めており、2014年(平成26年)度初の時点では5次車の量産と並行して、同年秋にも試作車が落成する予定でした。しかし、同年9月にJR北海道を取り巻く情勢からキハ285系の開発は試作車落成直後に中止され、当面の老朽特急型気動車の置き換えについては、キハ261系で実施する方針に転換されました。また、2015年(平成27年)3月20日発表の「安全投資と修繕に関する5年間の計画」により、キハ183系初期車の淘汰が1年前倒しされ、2017年(平成29年)度末までに進めることとなりましたが、先に投入した5次車はあくまでキハ183系の継続使用を前提としての輸送力強化のための増備でした。このため、「車両の安全性と輸送サービスレベルの向上」を目的に、6次車が2016年(平成28年)度から2018年(平成30年)度初にかけ計32両製造されることとなりました。大半は5次車同様新潟トランシスによるノックダウン生産でしたが、2017年(平成29年)製造のうち8両は初めて川崎重工業が艤装まで担当しました。

 仕様面では以下が変更されました。

 ・当初から新デザインで落成
 ・運転台前面窓に予備ワイパーを設置
 ・2016年(平成28年)3月ダイヤ改正でのFM文字放送終了に伴い、M1車FM文字多重放送アンテナ・
  受信機搭載省略
 ・5次車以前は機能停止後、2017年(平成29年)3月以降順次撤去
 ・愛称表示器をロール幕式からフルカラーLED式に変更
 ・グリーン車内妻仕切り壁へチケットホルダー追加設置


6次車2017年度増備分での変更
 6次車のうち、2017年(平成29年)度増備分以降は下記を変更し、既存車についても順次同仕様に改良されました。

 ・先頭車前位側扉の乗務員乗降用手すりを増設(789系0番台にも同様の手すりを設置)
 ・空調装置外部キセの前後端部を中央部と同一のステンレス鋼無塗装仕上げに変更


1000番台7次車
 7次車はキハ183系(後期型、N・NN183系)、キハ281系、キハ283系(1・2次車)144両の更新用の名目で2018年(平成30年)度から2022年(令和4年)度にかけて計67両が製造されました。製造は全工程を川崎重工業(川崎車両)が担当しています。6次車以前と比して大幅な仕様変更が行われました。

外装(1000番台7次車)

構体製作・仕上げの変更
 ・組み立てに789系1000番台同様のレーザー溶接を採用
 ・側面・妻外板をベルトグラインダ仕上げに変更
 ・構体内部の補強材を削減し軽量化するため妻外板をビード処理に変更
 ・屋根外板のビード処理をプレス加工からロールフォーミング加工に変更
 ・労災防止のため、屋根上歩み板の滑り止めをノンスリップシートからゴム板に変更
 ・先頭部貫通扉の中間幌設置準備工事(ほろ掛金用穴等)を省略
 ・M1・M2車の簡易運転台準備工事(構体ふさぎ板・手すり)を省略
 ・前照灯・補助灯HID灯をLED灯化(シールドビーム灯は存置)、カバーガラスを防曇のため複層ガラス化
 ・先頭部スカート正面左側に電子ホーンを設置


機器類・車両性能(1000番台7次車)
 台車は左右空気ばね差圧弁を車体搭載から台車搭載に変更し、形式はN-DT261Bとなりました。このほか推進軸保護枠を強化しました(2か所に増設)


車内設備・内装(1000番台7次車)
 6次車から以下が変更されました。(※)印を付した内容は既存車にも順次改造施工されました。

 ・グリーン車座席を表生地に青色の平織布を使用した「リニューアル腰掛」に変更。
 ・座面チルト機能、上下可動式ウィング付大型枕(レール可動式)、無段階調整式フットレスト、
 ・スライド式大型背面テーブルを搭載。
 ・読書灯設置位置を荷棚から腰掛本体に変更。
 ・コンセントは側窓下から腰掛本体の肘掛下に移動。
 ・普通客室内への大型荷物置場(2段式)の設置・定員の減少(※)。
 ・車内表示器を3色LEDからセレクトカラーLED(赤、緑、橙)に変更。
 ・室内の内妻仕切り壁を木目調メラミン樹脂に変更。
 ・室内化粧板をパネル構造に変更。
 ・携帯電話充電コーナー設置
 ・車いすスペース拡大


配置と運用

札幌運転所
 1000番台のうち計47両が所属しています。

特急「おおぞら」:3往復(下り3・5・11号、上り2・8・10号)
特急「とかち」:5往復(全列車)
「ホームライナー 」(手稲駅 → 札幌駅):2本(下り1・5号)

函館運輸所
 1000番台のうち計80両が所属しています。

特急「北斗」:11往復(全列車)
「ホームライナー」(手稲駅 → 札幌駅):1本(下り3号)

釧路運輸車両所
 1000番台のうち計27両が所属しています。

・特急「おおぞら」 : 3往復 (下り1・7・9号、上り4・6・12号)


参考:https://ja.wikipedia.org






特急「北斗」 キハ261系1000番台 函館本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 函館本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「北斗」 キハ261系1000番台 室蘭本線



特急「とかち」 キハ261系1000番台 根室本線



特急「おおぞら」 キハ261系1000番台 根室本線



特急「おおぞら」 キハ261系1000番台 根室本線



特急「おおぞら」 キハ261系1000番台 根室本線





キハ261系1000番台 主要諸元

形式 キハ261系1000番台 
運用者 JR北海道
製造所 川崎重工業→川崎車輛
JR北海道苗場工場(艤装)
新潟トランシス(艤装)
製造年 2006年~2022年
製造数  154両
運用開始  2007年10月1日
最高運転速度 130 km/h
全長 21,670 mm(先頭車)
21,300 mm(中間車)
全幅 2,804 mm
全高 4,050 mm(先頭車)
4,012 mm(中間車)
車体 ステンレス鋼
台車  N-DT261A(6次車まで)N-DT261B(7次車から)
(ヨーダンパ付
軸梁式ボルスタレス台車)
走行機関  N-DMF13HZJ形×2基 / 両
(1 - 4次車登場時)
N-DMF13HZL形×2基 / 両
(5次車 -)
機関出力 460PS / 2100 rpm
変速機 N-DW16A形
変速段   変速1段 直結4段
(パワーオン制御付
最終減速比1.860)
発電機関 N-DM283G3形
(25 kVA) ×2台 / 両 
制動装置  電気指令式空気ブレーキ
(機関・排気ブレーキ併用)
保安装置 ATS-SN・ATS-DN・EB・TE






JR北海道キハ261系1000番台 配置表 2023年3月現在

会社 区所 形式 番号
北海道   札幌 キハ261 1201 1202 1203 1204 1205 1206
1216 1217 1218
9
キロ261 1101 1102 1103 1104 1105 1106
1116 1117 1118
9
キハ260 1101 1102 1103 1104 1105 1106
1116 1117 1118
1201 1202 1203 1204 1205 1206
1216 1217 1218
1301 1302 1303 1304 1305 1306
1307 1308 1336 1337 1338
29
函館   キハ261  1207 1208 1209 1210 1211 1212
1213 1214 1215 1224 1225
 11
キロ261  1107 1108 1109 1110 1111 1112
1113 1114 1115 1124 1125
11
キハ260 1107 1108 1109 1110 1111 1112
1113 1114 1115 1124 1125
1207 1208 1209 1210 1211 1212
1213 1214 1215 1224 1225
1309 1310 1311 1312 1313 1314
1315 1316 1317 1318 1319 1320
1321 1322 1323 1324 1325 1326
1327 1328 1329 1330 1331 1332
1333 1334 1335
1401 1402 1403 1404 1405 1406
1407 1408 1409
 58
釧路   キハ261 1219 1220 1221 1222 1223 5
キロ261 1119 1120 1121 1122 1123 5
キハ260 1119 1120 1121 1122 1123
1219 1220 1221 1222 1223
1339 1340 1341 1342 1343 1344
1345
17




















キハ261系1000番台