快速「エアポート」 721系 函館本線

 721系電車は、札幌都市圏の輸送改善を目的として開発・設計された車両で、従来から同区間で使用してきた711系や50系(51形)客車は2扉車であり、駅での乗降に時間がかかるといった問題があったため、内外装の仕様を一新した新形式電車として開発されました。北海道の普通列車用車両として、初めて冷房装置を装備しています。

車体
 車体は軽量ステンレス製で、正面窓直上部に設けた灯火類を保護ガラスで覆った前面形状はキハ183系500番台に類似します。客用扉は片開き式を片側3か所に設けています。各車の屋根上に集中式冷房装置 N-AU721形(23,000 kcal)を1基搭載しています。側窓は大型の固定窓で、8次車以外は冷房故障時の換気のため一部が開閉できるようになっています。車体の帯色は一般車が萌黄色(ライトグリーン)、uシート車は側窓下部のみ濃青+赤です。

内装
 室内は寒冷対策として、両開き式の仕切扉を設けたデッキがあり、客室は前後2室に分かれています。座席は2+2列の転換クロスシートで、デッキ隣接部のみ1+1列となります。運転席にはプラズマディスプレイ単色表示のモニター装置を装備し、JRグループの車両としては初めて、ワンハンドルマスコンを採用しました。

機器類
 制御系は5次車までが、主回路のブリッジ(整流回路)に、サイリスタとダイオードで構成されるサイリスタ・ダイオード混合ブリッジを使用したサイリスタ位相制御による直巻整流子電動機駆動(N-MT721・150 kW、歯車比4.82)、6次車以降は、主変換装置によるかご形三相誘導電動機による駆動(N-MT785・215 kW、歯車比5.19)です。
 台車は211系電車などのDT50系ボルスタレス台車を基本に、高速走行時の蛇行動を防ぐヨーダンパを設け、氷雪対策として基礎ブレーキ装置を鋳鉄制輪子両抱き方式として耐雪ブレーキを装備したN-DT721形・N-TR721形で、枕ばねは空気ばね、軸箱支持はDT50系と同様の円錐積層ゴムとなっています。1000番台(6・7次車)からは支持方式を軸梁式に変更し、台車形式はN-DT721A形・N-TR721A形、8次車では細部仕様が変更され、台車形式はN-DT721B形・N-TR721B形となっています。
 補助電源装置は電動発電機(MG)に代わり、静止形電源装置(静止形インバータ)が採用されました。装置は富士電機が開発したもので、交流電車特有のセクション区間通過時には、蓄電池からの給電により停電の発生しない無停電電源装置となっています。空調装置、ブロワーなどには主変圧器の巻線から直接供給され、補助電源装置では単相交流400Vを入力電圧とし、インバータにより単相交流100V(4 kVA×2)を、コンバータにより直流100V(8 kW)を出力します。

 2024年(令和6年)4月1日現在、全132両が札幌運転所に配置され、以下の区間の札幌近郊の普通列車・快速列車で使用されています。

函館本線:小樽駅 - 札幌駅 - 滝川駅
岩見沢 - 滝川間は、朝晩の札幌方面直通列車のみ運用。
千歳線・室蘭本線:札幌駅 - 新千歳空港駅・苫小牧駅
札沼線(学園都市線):札幌駅 - 北海道医療大学駅

 小樽 - 新千歳空港間の快速・区間快速「エアポート」および一部普通列車は、6両固定編成により運行されています。これは、733系3000番台と共通運用です。
 一部を除き、731系・733系・735系と共通運用となっており、3両編成または6両編成で運行されます。6両編成は、6両固定編成または、3両編成を2本連結して運転され、共通運用を組むいずれの車両とも連結可能です。6両固定編成が普通列車として運行される際は、4号車の「uシート」は自由席となり、追加料金なしで乗車できます。


参考:https://ja.wikipedia.org




快速「エアポート」 721系 函館本線 小樽



普通 721系 函館本線 銭函



普通 721系 函館本線 森林公園



普通 721系 函館本線 野幌



普通 721系 函館本線 野幌



快速「エアポート」 721系 千歳線 千歳



快速「エアポート」 721系 千歳線



快速「エアポート」 721系 千歳線 新札幌





721系主要諸元

形式 721系
運用者 JR北海道
製造所 川崎重工業
日立製作所
東急車輛製造
JR北海道苗場工場(CKD製造)
製造年 1988年~2003年
製造数  135両
電気方式 AC 20,000 V (50Hz)
最高運転速度 120 km/h
車体 ステンレス鋼
台車    N-DT721(5次車まで)
  N-TR721(5次車まで)
  N-DT721A(6・7次車)
  N-TR721A(6・7次車)
  N-DT721B(8次車)
  N-TR721B(8次車)
主電動機 直流直巻電動機(5次車まで)
MT61形
(JR北海道形式・N-MT721形)
三菱電機製

三相交流誘導電動機(6次車以降)
N-MT785形
N-MT731形
東芝製
三菱電機製
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
(5次車まで)
TD平行カルダン駆動方式
(6次車以降)
制御方式 サイリスタ位相制御(5次車まで)
VVVFインバータ制御(6次車以降)




721系編成表

配置:札幌運転所


F-1~F6, F-8~F14編成
 編成番号 クモハ721
(Mc)
モハ721
(M')
クハ721
(Tc)
製造 新製日  備考
F-1 1 1 1 日立 1988.09.28 1次車 
F-2 2 2 2 日立 1988.09.29 1次車
F-3 3 3 3 日立 1988.09.30 1次車
F-4 4 4 4 日立 1988.10.01 1次車
F-5 5 5 5 川重 1988.10.04 1次車
F-6 6 6 6 川重 1988.10.05 1次車
F-8 8 8 8 東急 1988.10.21 1次車
F-9 9 9 9 日立 1989.06.27 2・3次車 
F-10 10 10 10 日立 1989.06.29 2・3次車
F-11 11 11 11 日立 1989.07.02 2・3次車
F-12 12 12 12 日立 1989.07.10 2・3次車
F-13 13 13 13 川重 1989.06.07 2・3次車
F-14 14 14 14 川重 1989.06.07 2・3次車



F-2107編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1)
製造 新製日  備考
F-2107 2207 2107 2107 東急 1988.10.19 1次車 改造日2010.07.09
2010年にF-7編成をVVVFインバータ制御仕様に改造した編成



F-3015~3021編成
 編成番号 クモハ721
(Mc)
モハ721
(M')
クハ721
(Tc)
製造 新製日  備考
F-3015 3015 3015 3015 東急 1989.05.31 2・3次車 改造日2002.03.30
F-3016 3016 3016 3016 東急 1989.05.31 2・3次車 改造日2002.02.08
F-3017 3017 3017 3017 苗穂工 1991.02.28 2・3次車 改造日2001.07.26
F-3018 3018 3018 3018 川重 1991.02.22 2・3次車 改造日2001.12.05
F-3019 3019 3019 3019 日立 1991.09.29 4次車 改造日2001.11.28
F-3020 3020 3020 3020 日立 1991.09.29 4次車 改造日2002.03.28
F-3021 3021 3021 3021 川重 1991.10.01 4次車 改造日2002.03.07
2 - 4次車を130km/h対応に改造し、3000番台化した編成である。現在ではF-1 - F-14編成と共通に運用されている。



F-1009編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1)
製造 新製日  備考
F-1009 2009 1009 1009 日立 1994.09.28 7次車
2003年に編成変更されず残存した唯一の1000番台(7次車)編成である。新千歳空港方先頭車の全室が「uシート」に改造されている。




F-5001編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1)
製造 新製日  備考
F-5001 5002 5001 5001 日立 下記参照 7次車+8次車 改番日2003.12.11
モハ721-5001 8次車 川重 2003年12月11日落成
クハ721-5001 7次車 日立 1994年4月16日落成
クハ721-5002 7次車 川重 1994年9月24日落成



F-3123+3122編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
サハ721
(Tu)
 サハ721
(T)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1)
 
製造 備考
4次車 4次車 5次車 5次車 5次車 4次車
F-3123+3122 3122 3122 3122 3123 3123 3123 川重
新製日 1991.10.1 1991.10.1 1992.6.13 1992.6.13 1992.6.13 1991.10.1
1992年、3両編成であった4次車F-22編成に、新製した5次車の中間車3両を組み込み、F-23+F-22編成として6両固定とした。2002年の130km/h対応改造により、F-3023+F-3022編成と改められ、さらに2011年の制御系更新改造により現在の編成番号となった。



F-3101+F-3201~F-3103+F-3203編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
サハ721
(Tu)
 サハ721
(T)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1)
 
製造 新製日
5次車 5次車 5次車 5次車 5次車 5次車
F-3201+3101 3201 3201 3201 3101 3101 3101 日立 1992.06.04
F-3202+3102 3202 3202 3202 3102 3102 3102 日立 1992.06.04
F-3203+3103  3203 3203 3203 3103 3103 3103 川重  1992.06.13
1992年に6両固定編成で製作された5次車(F-101 + F-201 ~ F-103 + F-203編成)を、2002年に130km/h対応に改造し、3000番台化した編成である。
F-3103 + F-3203編成は2012年に、F-3101 + F-3201編成とF-3102 + F-3202は2013年に制御系更新改造を受け、サイリスタ制御からVVVFインバータ制御に変更された。



F-4101+F-4201~F-4104+F-4204編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
サハ721
(Tu)
 サハ721
(T)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1) 
製造 新製日
6・7次車
6・7次車 6・7次車 8次車 8次車 6・7次車 6・7次車
F-4201+4101 4201 4201 4201 4101 4101 4101 川重 1993.12
F-4202+4102 4202 4202 4202 4102 4102 4102 川重
日立
1994.09
1994.04
F-4203+4103 4203 4203 4203 4103 4103 4103 川重
日立
 1994.09
 1994.09
F-4204+4104 4204 4204 4204 4104 4104  4104  川重  1993.12
2003年の編成変更で、1000番台(6・7次車)の小樽方2両と新千歳空港方2両に、8次車の付随車2両を組み込み、6両固定とした編成である。電動車は従来の1000番台仕様で、ブレーキ遅れ込め制御を持たない。
サハ721(8次車)は全車川重製 2003年10月~12月製造




F-5101+F-5201~F-5103+F-5203編成
 編成番号 クハ721
(Tc2)
モハ721
(M)
サハ721
(Tu)
 サハ721
(T)
モハ721
(M)
クハ721
(Tc1) 
製造 新製日
6・7次車
6・7次車 8次車 8次車 8次車 8次車 6・7次車
F-5201+5101 5201 5201 5201 5101 5101 5101 川重 1993.12.11
F-5202+5102 5202 5202 5202 5102 5102 5102 川重
1993.12
F-5203+5103 5203 5203 5203 5103 5103 5103 川重
日立
 1994.09
 1994.09
2003年の編成変更で、1000番台(6・7次車)の先頭車2両に、8次車の中間車4両(電動車2両+付随車2両)を組み込み、6両固定とした編成である。
新製した電動車の制御システムが従来車と異なり、ブレーキ遅れ込め制御を行う。
モハ721、サハ721(8次車)は全車川重製 2003年10月~12月製造


























721系